土浦市/東小(2018年12月14日)

ワールドカフェや役割演技 新しい道徳が育む子どもの自立

4月から道徳が教科化されたことにともない、文部科学省が打ち出す「考え、議論する道徳」に向け、土浦市立東小学校では、道徳の授業改革に取り組んでいる。多様な意見を引き出す「ワールドカフェ方式」や役割演技などを取り入れ、アクティブに動きながら意見交換(こうかん)し合う場を提供することで、「道徳が楽しい」という子どもが増えている。

多様な意見が出やすいフィールドを設定

昨年から同小では、問題解決的な学習という視点をふまえ、子どもたち自身が意思決定をするプロセスを大切にした授業づくりを進めている。

具体的には、友達と多様な意見を出し合えるよう、グループでの話し合いを重視している。中でもユニークなのは3〜4人のグループで、メンバーが入れかわりながら話し合いを進める「ワールドカフェ方式」。別のグループから来た子が参加することで、固定した意見に収まるのではなく、グループに新たな気づきが生まれ、シェアされるようになった。

また、子どもたちがお面をつけて登場人物になりきって考える役割演技も導入している。例えば、低学年での「島のおさるたち」の題材。何でもボスざるに頼りきっていた子ざるたちが、ボスざるがいなくなった時に、食べ物が得られなくなり困ってしまった。子ざるになりきった子どもたちは、「自分のことは自分でやろう」「木登りの練習をしよう」など、自分のことは自分で解決し、自分の弱さに立ち向かう気持ちなど活発な意見が出された。

教頭は「考え、議論するには、子どもに字面を示すだけではうまくいかない。アクティブな動きや、意見を交換できるフィールドを整えて初めて、子どもたちは流れに乗ってくる。授業では多様な意見が出やすいフィールドを積極的に作るようにしている」と話す。

意見交換で深い気づき

新しい道徳の取り組みについて、子どもたちの感想文には「みんなの意見を聞いて、自分の意見とちがっていても納得してしまう道徳の面白さを見つけた」「ワールドカフェで話し合うことで、他の意見を聞いたり自分の意見を言ったりすることが増えた」「いろんな意見をもとに、また新しい考えを作ることが楽しい」など、議論の喜びを感じていることがつづられている。また意見交換を通じて「公平」「友達」「いじめ」などについて深い気づきを得たことがうかがえるコメントも見られた。

教頭は「子どもたちの授業の取り組み方や表情を見ると、大きく変化してきた実感がある。何より道徳の授業が楽しいと思う子どもがとても多くなった」と喜ぶ。

子どもの自己有用感高め自立につなげたい

取り組みを通じて最終的に目指すのは、同小の教育目標にもかかげる子どもたちの「自立」だ。子どもたちの自己有用感(他者の役に立つ人間だと感じること)や生かされている存在であるという感覚を高め、ひいては自立した大人として成長することにつなげていきたいと教頭は力をこめる。

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