取手市教育委員会(2019年9月2日)

調査報告書から学ぶいじめ防止研修会

8月9日(金)、取手市民会館(取手市東)にて「いじめ防止等に係る取手市教員一斉研修会」が開かれ、市内の小中学校から約400人余りが出席した。2015(平成27)年に同市立中学校の生徒がいじめを原因に自ら命を絶った事案について今年3月、県の調査委員会が出した調査報告書をもとに、生徒が置かれた状況(じょうきょう)の経緯(けいい)をたどりつつ、いじめについて考え、生徒指導の在り方について学んだ。また続いて行われた講演では、学校・保護者、地域やさまざまな機関が協力して、チームで子どもたちを支えることの重要性が語られ、先生たちは熱心に耳をかたむけた。

いじめを認識し適切に対応すること
研修会の第一部は、「いじめによる自殺を二度と起こさないため『調査報告書』を徹底(てってい)的に学ぶ」と題し、取手市スクールカウンセラー・スーパーバイザーの藤原先生の講義が行われた。
始めにいくつか事例を示し、いじめかどうかをたずねた。「笛が下手なB君に、となりの席の子が教えてくれるが、B君はそれがいやだ」「A君がなんとなく冷たくなったように感じる」など、明確ないやがらせ行為(こうい)はないが、これらは「いじめ」。「心身の苦痛を感じていること」はすべて「いじめ」と定義され、何をされたかではなく、本人の気持ちが大事であることが強調された。事案では生徒が書いた日記から、心理的苦痛を受けていたことが明らかになったが、遅刻(ちこく)や欠席、保健室の利用などの目立った変化が見られなかったため先生たちはいじめに気付けなかった。藤原先生は、いじめられた子の心理状態や生活態度の変化、自殺直前のサインなどについて示し、苦しさを出せない子に対して周囲が気付いてあげてほしいとうったえた。また生徒指導の問題点も挙げ、厳しさよりも優しさをもって子どもたちと接し、きめ細かな指導をすることの大切さを語った。

必要な援助を行うためチームで情報を共有
続いて学校心理学者の第一人者である筑波大学名誉教授石隈先生の「一人一人の子どもを支える児童生徒理解とチーム援助(えんじょ)~学校・家庭・地域の連携(れんけい)で~」と題した講演が行われた。例えば不登校は「苦戦している状況」のことであり、改善するためにその子にとって必要な援助を行うことが大切であること。そのためには、学校や家庭、地域などが連携し、それぞれが当事者として危機感や責任感を共有し、広い視野をもつことが大事であることを強調。石隈先生たちが発案した「援助資源チェックシート」などを利用し、担任だけでなく養護教諭(きょうゆ)やスクールカウンセラー、専門機関など複数の人で情報を共有し、子どもにとってプラスになるようみんなで支援していこうと呼びかけた。
講義・講演を受けて市教育長は「いじめのとらえ方を先生一人ひとりが考え直し、我がこととして受け止め、改めて理解を深め実践(じっせん)に生かしてほしい」と述べ、研修会をしめくくった。参加した先生からは「大変参考になった」「一生忘れてはいけない事案として心に留めつつ、決していじめが起きないよう子どもたちと向き合っていきたい」などの感想が聞かれた。

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