土浦市立都和南小学校(2018年5月25日)

・地域といっしょに防災訓練「命はみんなで守る」思いこめ

土浦市立都和南小学校では年1回、学校と地域が連携(れんけい)して防災訓練を行っている。子どもたちと地域の人たち9地区約600人が参加する大規模なもの。小学校と地域合同で、実体験を重視した内容には「命はみんなで守っていく」という思いがこめられている。

・大声コンテストで助け呼ぶ声競う

防災訓練は毎年11月の土曜日、同市消防局や市、地域の人たちの協力のもと行っている。

当日は訓練一色。午前8時半サイレンが鳴った後、子どもたちは地域の大人たちと地区名が書かれた旗をかかげて校庭に集合。全員で消火器で火を消す訓練をした後、地区ごとに分かれて、バケツリレーや煙(けむり)体験、応急処置訓練など、さまざまな訓練の中から三つを選んで体験する。想定するのは火事や地震(じしん)といった大災害。消防士の指導のもと、どの訓練もリアルで体験型の内容だ。消火器訓練では燃える炎(ほのお)を前にし、煙体験では白い煙でいっぱいのテント内で視界の悪さを実感する。搬送(はんそう)法の訓練ではけが人役の人を実際に背負って運びやすい体勢を体験。また体育館脇の防災倉庫を開けて、中にある用具をみんなで確認したりもする。しめくくりは「火事だ」とさけぶ声の大きさを競う大声コンテスト。地区ごとに3人1組で出場し、マイクに向かってめいいっぱい声を張り上げる。写真に映る子どもたちの表情は楽しそうだが「災害時に1人だったら、まず大声で助けを呼ぶことが鉄則。いざというときに直結します」と先生は言う。

・「面白かった」でもいい

訓練後、子どもたちがまとめたふり返りの感想文には「バケツリレーが面白かった」「災害のときにたおれている人がいれば助けたい」など、体験で感じたことが紙いっぱいにつづられている。「面白かった、でもいい。災害が起きた時、やったことを思い出してもらえば、落ち着いて行動できる。それが命を救う手立てになる」と先生。教員にとっても訓練は、補助に入ることで消防士の動きを間近で見られたり、めったに開けない防災倉庫内の備品を確認できたりと、防災意識が高まる貴重な機会になるそうだ。

・命守る意識次世代にもつなげたい

一方、訓練を地域の人といっしょに行うことは、防災面以外でもメリットがある。例えば、子どもが外で不審(ふしん)者に出会ったときも、近所の人の家ににげこむなどの行動が取りやすくなるなど、防犯面での意義も大きいという。先生は「この取り組みを通じて、命はみんなで守っていくものという意識を高めたい。そして訓練を体験した子どもたちが成長したときに、その思いを次の世代へつないでいけるといい」と話している。(2018年5月25日号掲載)