稲荷第一小学校(2018年6月22日)

・あいさつから始まる「みんなでつくる楽しい学校」

今年創立130年をむかえる水戸市立稲荷第一小学校は、縄文時代中期ごろの遺跡(いせき)である向山遺跡があった場所に建つ。周辺には田園風景も残り、子どもたちは歴史や自然、大地のめぐみを身近に感じながらのびやかに育っている。近隣(きんりん)の学校や地域との連携(れんけい)や、食育に力を入れている学校だ。

・保幼小・小中や地域と連携した取り組み

同小の教育の特色は、近隣の保育園や幼稚園、中学校、地域と連携した活動にある。常澄保育所・稲荷第一幼稚園との連携では、1年生が新入学の保護者説明会で園児たちに学校の様子を説明したり、2年生が園児といっしょにサツマイモを植えて収穫(しゅうかく)したりする。3年生はかるた取り、4年生と6年生は業間休みに遊び、5年生は給食を食べるなど、学年ごとに交流をしている。小中の連携では、常澄中学校区の小中学校の代表が集まってリーダー会議を開き、「いじめゼロ宣言」などを取り決め、各学校に持ち帰って全体で取り組んでいるほか、卒業をひかえた6年生は、中学校の入学式で歌う合唱の合同練習会を行なったりもしている。地域との連携では、敬老会で2年生がダンスを発表したり、地域のお祭りで3年生が音楽の発表をしたり、「風土記の丘まつり」では4年生が古代人のファッションショーに参加したりする。また同小のランチルームで高齢(こうれい)者が楽しむエンジョイスクールに子どもたちも参加し、交流を深める活動もしている。

・家族と作って食育「お弁当の日」

食育にも力を入れる同小では、昨年度から学期ごとに1回「お弁当の日」を設けた。自分で料理する楽しみや達成感を味わい、食の自己管理能力や実践(じっせん)力を身につけること、食に感謝する気持ちを育てることなどを目的とし、作ってくれた人に感謝の気持ちを伝える「サンキューコース」から、全部自分で作る「パーフェクトコース」までの5コースから選んでお弁当を作る。家族といっしょにお弁当に入れるものを考えて買いに行くことと、お弁当箱を洗うことは必ず全員が取り組むことだ。指導をする栄養教諭は、「回を重ねる度に子どもたちは意欲的になっている。お弁当の日や給食を通して食の大事さを教えていきたい」と語る。

・あいさつとありがとうあふれる楽しい学校に

今年度のスローガンは「みんなでつくる楽しい学校〜自分から始めよう〜」。まずは「あいさつを元気にすること」と「ありがとうを言えること」から始めようと先生は子どもたちに伝えた。「学校が『あいさつ』と『ありがとう』でいっぱいになれば、いじめは起きない。楽しい学校にするために自分で考え行動できる児童に成長していってほしい」とスローガンに思いをこめた。6月からは登校班ごとに1週間ずつ朝のあいさつ運動を実施(じっし)し、「あいさつ」と「ありがとう」から始まる楽しい学校づくりに取り組んでいる。

(2018年6月22日掲載)

下大野小学校(2018年6月22日)

・木のぬくもりを感じる校舎でICTを活用した教育

1892(明治25)年に創立し126年の歴史をほこる水戸市立下大野小学校。今年度は少人数での教育の良さを生かして、細かな指導や特色ある教育を行う「小規模特認校」の指定を受け、学校の新たな歴史が始まった。ICT(情報通信技術)の活用と、地元の伝統文化を伝承する活動に特に力を入れ、魅力(みりょく)ある学校づくりを進めている。

・ICTを活用した小規模特認校

市内に在住していれば学区外からも就学できる小規模特認校の指定を受けた同小。ICTを活用した教育に力を入れ、タブレット端末(たんまつ)や電子黒板などを用い、多彩な授業を行っている。その教育の場となっているのが、ゆかやかべなどに県産材のスギをふんだんに使った木のぬくもりを感じる校舎。1階と3階が教室で、2階は二つの図書室とコンピュータルーム、英語学習専用のイングリッシュルームがあるメディアセンターになっており、整った教育環境(かんきょう)も自慢(じまん)だ。先生は、「今年度は1年生18人のうち2人が学区外からこの制度を利用して通学している。少人数教育やICTなど本校の特色に魅力を感じて、入学する児童が増えることを期待している」と話した。

・縦割り班で仲良く異学年交流

5年前から英会話の学習では小規模校ならではの取り組みとして、異学年でいっしょに学ぶ「コンボクラス」授業や全校児童が参加し、10人前後の縦割り班で学ぶ「スクールワイド」授業も行っている。また昨年度は初の国際交流会を開き、ポーランド、ドイツ、中国の人たちに来てもらい、その国の話を聞いたり、遊びを教えてもらったりした。異学年の交流は英会話だけでなく、コンボクラスで体育の合同授業や遊んだりするほか、二学年いっしょに給食を食べる「コンボランチの日」があるなど、さまざまな活動を行っている。「高学年の子どもたちは優しくて思いやりがあり、下級生をよく世話している。三世代同居の家庭が多いせいか優しい子が多く、子ども同士は兄弟姉妹のように仲がいい」と先生。

・地域の伝統芸能を伝承「大野のみろくばやし」

6年生が取り組んでいるのが、地域に伝わる伝統芸能の「大野のみろくばやし」。地域の神社にまつられている3体の「みろくさま」を操って舞(ま)わせる芸能だ。子どもたちは5年生の終わりから6年生の11月ごろまで保存会の先生からおはやしを習い、秋には敬老会や近くの高齢(こうれい)者施設のお祭りなどで披露(ひろう)する。子どもたちは、「6年生になったらみんなの前でみろくばやしをやるんだ」と楽しみにしているという。

同小の今年度のキーワードは「元気」。「子どもも学校も地域も、みんな元気になることを学校を核(かく)としてやっていきたい。少人数の中で育っている子どもたちに、いろいろなところで自分を自由に表現できる元気が育ってほしい」という先生の思いを受け、子どもたちは元気に学校生活を送っている。(2018年6月22日掲載)