龍ケ崎市/龍ケ崎市立龍ケ崎小学校(2018年10月26日)
龍ケ崎市/龍ケ崎市立龍ケ崎小学校(2018年10月26日)
・自然豊かな校庭で、ゲストティーチャーと生き物観察
龍ケ崎市立龍ケ崎小学校では、自然について豊かな知識を持つ地域の人をゲストティーチャーに招き、3〜6年生が観察や体験を通して自然に親しむ「すくすく理科」を行っている。創立144年をむかえた同小の校庭は、ウメやマツ、イチョウなど多くの種類の木々が生いしげり、子どもたちにとっては鳥や虫、植物とふれ合えるかっこうの場となっている。
・ゲストティーチャーの導きで自然観察
3日(水)に行われた「すくすく理科」。子どもたちは、植物、樹木、野鳥、こん虫、水中の生き物の5コースに分かれて、ゲストティーチャーの指導のもと、観察を行った。
「どろの中にヤゴがいないか探してみて」。観察池では、水中の生き物コースのゲストティーチャーが呼びかけた。子どもたちは池をさらった網(あみ)をのぞき、小さな生き物を見つけてかん声を上げた。金魚のような魚を見つけた6年児童は「去年はもっと大きな金魚がいた。その子どもかな」と笑顔で話した。
植物コースでは、校庭の野草を採取。花やくきの様子を調べて、観察カードに書きこんだ。ノゲシを採取した4年児童は「湯がいたら食べられると教えてもらったので食べてみたい」と興味しんしんだった。
・「こんなの見つけた」と生き生きした表情に
取り組みが始まったのは5年ほど前。子どもたちが体験や観察を通して自然に親しみ、自然事象に対する疑問を追及(ついきゅう)したり、調べようとしたりする態度を育むことが目的だ。
3年〜6年生の縦割りで、年度初めに5コースから好きな分野を選び、観察カードを作ったり、スケッチしたりする。フィールドとなる校庭は、東京ドームとほぼ同じ大きさ。多くの種類の木々がしげり、平地ではあまり見られない鳥なども観察できるめぐまれた環境(かんきょう)だ。。
活動の意義について理科専科の先生は「子どもたちの疑問にその場で答えられる。自然の中だと、授業ではあまり発言しない子も『こんなの見つけた』と生き生きした表情を見せる」と語る。
昨年までは1コマ×8回(年間)だったが、今年から2コマ×4回と1回あたりの時間を倍増。「ゲストティーチャーに質問する時間がとれるようになり、子どもたちの理解が深まるようになった。ゲストティーチャーとの距離(きょり)も近くなった」と先生。
・「はば広い分野へ興味関心を広げて」
ゲストティーチャーに活動についてたずねると「好きなことを子どもたちに教えられて、生きがいになっている」「子どもたちが自分で発見できるよう心がけている。うれしそうな表情を見られるのがいい」「興味を持って虫にふれてくれるとうれしい」などの声が返ってきた。
校長は「今後もめぐまれた自然環境と、専門的な方に協力して頂ける環境を整えながら、子どもたちが取り組みを通して、自然への理解を深め、よりはば広い分野へ興味関心を広げていけるようにしたい」と話す。(2018年10月26日号掲載)