取手市/永山小学校(2019年2月22日)

平和の尊さを考える「被爆ピアノ」が奏でる演奏会

取手市立永山小学校で12月12日(水)、全校児童や保護者などが参加し、広島の原爆(げんばく)で被爆(ひばく)し、再生された「被爆ピアノ」の演奏会が行われた。いくつもの傷あとが残るピアノの伴奏(ばんそう)による詩の朗読やプロの音楽家による演奏の後、最後は児童の伴奏で全校児童が合唱。平和について考える貴重な機会となった。

約80年前に製造された被爆したピアノを修復

同小で演奏されたのは約80年前に製造されたヤマハのアップライトピアノ。爆心地より3キロの民家で被爆し多数の傷あとが残るが、内部は調律師の矢川さんよって演奏できるように修復され、楽器として再生した。一昨年にはノルウェー・オスロであったノーベル平和賞コンサートでも演奏され、世界にも知られることとなったピアノだ。

ピアノの音色で平和の尊さ考える

今回の演奏会に参加するにあたり、事前に子どもたちは戦争や原爆の話を聞いたり物語を読んだりして、戦争の悲惨(ひさん)さや原爆のおそろしさを学んだ。演奏会当日、会場には当時の様子やきのこ雲の写真パネルなどが展示され、広島からリフト付きの専用トラックで運んできた被爆ピアノを、子どもたちは興味深く見守った。

演奏会は5年女子児童の「歴史上の出来事を考えながら、みんなで大切な思い出をつくりましょう」というはじめの言葉から始まった。最初に矢川さんの話があり、「被爆ピアノは全国で平和の種まきをしている。被爆ピアノの音色で、原爆のおそろしさや平和の尊さを考えてほしい」と子どもたちに語りかけた。その後、被爆ピアノの伴奏で平和を願う詩が朗読され、プロの音楽家が演奏を披露(ひろう)した。

そして最後は全校合唱。6年女子児童の伴奏で『君をのせて』を、5年女子児童の伴奏で『世界が一つになるまで』を全員で元気いっぱいに歌い、会をしめくくった。5年女子児童は「被爆して今も残っているピアノをひけてうれしい。平和だからみんなが笑顔でいられる。笑顔でいられなくなるような戦争はやってはいけない」と話した。

被爆ピアノにふれて平和を実感して

演奏会終了(しゅうりょう)後は多くの子どもたちが実際にピアノにふれ、いくつも残る傷あとを指でたどったり、鍵盤(けんばん)をたたいたりした。「子どもたちも被爆ピアノから何かを感じてくれたと思う。ただ話を聞くだけよりも、現物を目にし、音色を聴(き)き、ふれることは何倍も説得力がある。戦争や平和について学んでいる高学年はもちろん、低学年の子どもたちにとっても平和の尊さを考える貴重な機会になった」と教頭は話す。

今年、矢川さんと被爆ピアノをテーマにした映画『おかあさんの被爆ピアノ』が取手市を中心に撮影(さつえい)される予定で、映画が完成すれば子どもたちはもう一度スクリーンの中で被爆ピアノに出合い、改めてこの日の演奏会を思い出すことだろう。

 

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