つくば市/豊里学園(2021月2月26日)

なりたい自分を手に入れるため 9年間書きつなぐ「夢ファイル」

つくば市立豊里学園ではキャリア教育の教材として「夢ファイル」を導入。同学園の小中一貫(いっかん)教育のテーマ「夢の実現に向けて主体的に取り組む児童生徒の育成」のため活用している。

9年分の夢と目標を 一冊のファイルに

夢ファイルとは、児童生徒が目指す将来の姿と、そのための努力や課題などを自分で書きこみ、夢の実現へと結び付けるもの。

子どもたちは各自一冊のファイルを9年間使い続ける。最初のページには、自分がなりたいものを毎年書き足していく。一つの夢をずっと追い続ける子もいれば、新しい夢に出会う子もいる。これはキャリア教育の中でさまざまな職業について知り、視野が広がった結果でもある。

次のページからは毎年の取り組みを、年に4枚のシートで記録していく。最初のシートには今年度の目標や、自分の良いところ・良くしたいところ、学習面・生活面でがんばりたいことなどを書き、残りの3枚は夏休み前、冬休み前、年度末のタイミングで、それぞれの期間中にがんばったことや、現時点での目標達成度などを記入する。

自分のことを知り 努力の仕方が分かる

夢ファイルの効果について、沼崎小の教頭はこう話す。「自分自身を客観的に見つめ、目標達成に向けた努力の道筋をえがき、見通すことができる。またファイルを見返すことで、最初の目標をもう一度意識し直したり、これまでの自分の成長や変化を確認したりもできる」。

ただし、目標に応じた適切な課題設定を自分でするのは容易なことではない。「単に『勉強をがんばる』とだけで、それ以上くわしく書けない子もいる。そこで、自分のどこをもっとのばしたいのか、そのためにどういう取り組みをすればいいかなど、より具体的に考えるようアドバイスしている」と、同小6年担任の先生。

家庭や地域との つながりも感じる

「取り組みたいこと」で書くのは、3年生までは家のお手伝いなどが中心だが、4年生以降は地域のごみひろいや公園のそうじ、花だんの整備などに変わってくる。子どもたちはこれらの活動を通して、家庭や地域の一員としての意識が生まれ、その中で自分も役に立ちたいと考えるようになる。

こうした思いは自分たちの学校にも向けられる。例えば同小の場合、校舎の前に大きなイチョウの並木があり、秋には大量の葉が落ちる。それを5・6年生がはき集め、1年生は落ち葉のシャワーなどで遊び、学年をこえた交流と、母校への愛着や責任感などが育っている。

このように夢ファイルは、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現する力の育成にも役立っている。

 

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