牛久市/向台小学校(2021年4月23日号)

名文暗唱や百人一首に取り組み
日本語を大切にする心を育む

牛久市立向台小学校では、表現力を育てるため「言語活動の充実(じゅうじつ)」に重点を置き、名文暗唱や百人一首に取り組んでいる。10級から1級の名文が印刷された冊子を全児童に配布し、国語の時間や特別活動の時間、家庭学習で暗唱できるように練習。合格すると級がもらえることをはげみに、子どもたちは積極的に学んでいる。

名文暗唱で古文や漢文にふれる
業間休みや昼休み、暗唱の検定を受けようと子どもたちが集まってくる。子どもたちが取り組んでいる名文暗唱は、10級「いろは歌」、9級「吾輩は猫である」、7級「竹取物語」、2級「雨ニモ負ケズ」など、日本の文学史に残る名文ばかり。文語調の文章や古文、中には5級「春望(杜甫)」のような漢文もあり、現代では聞きなれない文章が多いが、何度も練習をして暗唱した子どもたちからはすらすらと言葉が出てくる。きちんと全文を暗唱できたらハンコがもらえて進級だ。そして1級の「日本国憲法」まで合格すると、校長室で校長先生から「認定書」がわたされる。これまで何人もの子どもたちが認定書を受け取り、さらに長文になる「段」の名文に取り組んでいる。

 

百人一首の対戦で思いやりや礼儀も
もう一つ、全学年で国語学習の一環(いっかん)として取り組んでいるのが百人一首だ。給食の時間には放送委員が「今日の一句」として紹介(しょうかい)するなど、子どもたちは積極的に学んでいる。聞きなれない言葉に最初はとまどっていたが、少しずつ和歌を覚えていき、心地いい五音・七音のリズムにすぐに夢中になった。
一対一の対戦では、相手に配慮(はいりょ)しながら丁寧(ていねい)に札を配ることや、勝っても負けてもきちんとあいさつすることなど、楽しみながらルールを守ることも学び、百人一首を通して思いやりや礼儀(れいぎ)も身に付けている。学年に関係なく楽しめるのも魅力(みりょく)で、3年生対6年生で行ったときには、下級生を相手に6年生も真けんに取り組み、異学年交流を楽しんだ。

 

言葉に興味関心をもち日本語を大切にする
日本語のもつ豊かな音のひびきにふれ、日本人としての教養を身に付けると同時に、日本語を大切にしてほしいという思いから始められた名文暗唱や百人一首の取り組み。低学年では意味を理解するのは難しいが、くり返し声に出して読み、音やリズムにひたって日本語の美しさを感じ、古文や短歌にも親しみをもつようになった。
また同小では語彙(ごい)を増やすため、国語辞書の活用をすすめている。子どもたちは、国語の時間だけでなく、ほかの授業でも分からない言葉があれば辞書で確認したり、おたがいに教え合ったりしている。辞書を引いた言葉には名前を書いてふせんを付け、学習した跡が残るようにしているのもはげみになっている。
「これらの日々の活動を通し、子どもたちが言葉に興味関心をもつようになり、自ら学ぶ意欲も高まっている」と教頭。「名文暗唱の木」が見守る同小で、子どもたちの言葉を大切にする心が育まれている。

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