中部地方より北の高山や北海道の草原に生えている植物です。花の色が黒っぽいので、クロユリと名づけられていますが、花にふくまれているのは赤紫(むらさき)色のアントシアニンという色素で、多量に入っているので黒く見えます。この花には肉がくさったようなにおいがあり、花を訪れて花粉を運ぶのは、ハチやチョウではなく、ハエです。黒っぽい色の花はたいていの場合、その色とにおいにだまされて、ハエが卵を産みにやってきます。その時にハエに花粉を運んでもらうような仕組みになっています。

協力:筑波実験植物園
岩科 司